住宅購入時の税金と優遇制度
出典:ハウジング・トリビューン
経済産業省が総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会 建築材料等判断基準ワーキンググループ(座長:田辺新一 早稲田大学理工学術院創造理工学部建築学科教授)を開催、建材トップランナー制度におけるサッシとガラスの基準案を明らかにした。
トップランナー制度は既に商品化されている製品のなかで最も省エネ性能に優れているもの(トップランナー)の性能値を目安に、それぞれの製品ごとに目標基準値を定め、目標年度以降にその基準値のクリアを事業者に求めるもの。2013年5 月の省エネ法の改正で、建材もトップランナーの対象に加わった。昨年12 月の改正法の一部施行で、断熱材を対象にスタートしている。今回は、窓を構成するサッシとガラスについて基準案を策定した。
サッシ、ガラスとも目標年度は2022 年度に設定した。
サッシの目標基準値は開閉形式ごとに区分を設けて設定した。目標基準値を策定するにあたって、「普及品(アルミサッシ(単板ガラス)、アルミサッシ(複層ガラス))」「付加価値品(アルミ樹脂複合サッシ)」「高付加価値品(樹脂サッシ)」に分け、それぞれに現在のトップランナー製品の性能値を求め、これに普及品、付加価値品、高付加価値品それぞれの目標年度のシェアを推計により算出し、乗じるかたちで最終的な目標基準値を設定した。この目標基準値を2022年度までにクリアすることを事業者に求めていく。ただし、加重平均値が目標基準値をクリアすればいいので、全ての製品を目標以上の性能に高める必要はない。出荷量の多い引き違いの場合で15.49%の性能改善率を見込む。
一方、ガラスについては、複層ガラスを対象とした。単板ガラスは対象外で、細かい区分も設定していない。「一般複層ガラス」と「Low-E 複層ガラス」に分けてトップランナー値を求め、今後の技術開発による改善率や目標年度のシェアを勘案して目標基準値を設定した。加重平均値で目標基準値を2022 年度までにクリアすることを事業者に求める。これを達成した場合の性能改善率は7.33%となる。
同省では9月中にも今回の基準案をパブリックコメントにかける方針で、11 月末までにとりまとめや法令改正の作業を終え、年内にも施行したい考えだ。
経済産業省では、建材トップランナー制度により、高性能なサッシ、ガラスへのシフトを加速させたい考えだ。今後、サッシのボリュームゾーンはアルミから、より性能の高いアルミ樹脂複合や樹脂へ移行していくことになりそうだ。ガラスについても、一般複層ガラスからLow-E 複層ガラスへのシフトが進むことになるだろう。
ここへ来て、サッシメーカーの間では高性能な樹脂窓やアルミ樹脂複合窓を市場に投入する動きも活発化している。トップランナー制度では性能の高い製品を製造・販売しているメーカーほど有利になるだけに、今後、こうしたメーカー間の技術開発競争に拍車が掛かりそうだ。
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CMシステム家づくりネットワーク アドバイザー 上野 勝