ローン申請を金融機関が断る事がある、その理由は?
住宅ローンの審査でダメ出しされるのは、どのような理由によるか?
国土交通省は「民間住宅ローンの実態に関する調査」を断続的に実施しており、その結果をホームページで公表している。この調査は、通常は民間金融機関を調査対象にしたものだが、2003~05年度の3ヶ年度は住宅関連事業者を対象に実施した。やや前の調査結果だが、その中に興味深いデータがある。
顧客がローン審査で金融機関から断られたケース、もしくは借入額など希望した条件で借りることができなかったケースについて、その理由(住宅関連時事業者が把握、または推測している理由)を聞いている。
3カ年度で得票数に多少の差はあるものの、「カードローン等の他の債務の状況や返済履歴」「雇用形態」「返済負担率」「年収」「勤続年数」の5項目が目立って多いことがわかる。
私の経験でも、実務レベルでローン審査でネックになる代表格は、まさにこうした項目だ。さらに回答者の感触として「前年度と比べて緩くなった」、もしくは「厳しくなった」と感じる項目。
対象の3カ年度では、「年収」「雇用形態」「カードローン等の他の債務の状況や返済履歴」といった項目で「厳しくなった」と感じた人が多い。
資金計画で金融機関が既存のルールが緩和されることもある
住宅ローンの申請は、金融機関にとっても膨大な事務手続きが伴う。これらの多くは、金融機関のリスク回避手続きであり、一定のルールに基づいて運用されている。書類の不備や手続きの簡素化といった例外は、原則として受け入れない。金融機関それぞれの独自のルールもある。
プロとしては、申請作業を効率的に進めるうえでこうしたルールをきめ細かく把握しておきたいところだ。整理してとらえておくべきは、事務手続き上のルールには金融機関が「一定の範囲で変更が可能なルール」と「絶対に変更できないルール」があるということだ。
例えばある民間金融機関では、貸し付けの条件を「年収400万円以上」としているが、実際には380万円以上ならば交渉次第で取り扱ってくれる。これが「一定の範囲で変更が可能なルール」の例だ。