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鹿児島県姶良郡 貴島様邸「着工式」レポート

着工式と工程会議を施主参加で…というのは、ほとんど見られないことではありませんか?何故なのか?独自のCMシステム家づくりシステムを作り上げた、代表上野氏に聞いてみました。

CMシステム全国家づくりネットでは、実際に家を建て始める前に、施主、コンストラクションマネージャ、各施工業者の方が一同に会し、「着工式」と「工程会議」を行います。今回は鹿児島県姶良郡に家を建てられる貴島さんの「着工式」の模様を取材しました。ご本人へのインタビューと併せてご紹介します。

(取材:ネット宮崎)

出席者:
施主:貴島さんご家族
各施工及び納材業者の代表者の皆さん、
CMシステム全国家づくりネット代表 上野氏
及びソーラーハウス21江口氏
他 計約25名

午後5時前、各施工業者の代表者の皆さんが、鹿児島各地から続々と会場入り。また、施主の貴島さんもご家族揃って会場入りされました。定刻5時に「着工式」を開始。今回は着工式冒頭、上野氏から施工業者さんに対し、着工式の意義について説明がありました。

着工式にはどんな意義があるのですか?

昔と今の家づくりの違い


CMシステム全国家づくりネット代表 上野さん

昔の家づくりと今の家づくりを考えたとき、大きく変わっていることがあります。何かといいますと、昔(4~50年前以前)は、施主は、棟梁に家づくりを頼みに行きました。

木造住宅ですから、大工さんが中心になってすすめるのですが、その大工の棟梁が工事を取り仕切っていて、木や床柱や床材を選ぶというときには、施主が棟梁と一緒に材木屋さんに行ったり、床柱屋さんに行ったりしていました。でも今の住宅会社ではそんなことはありません。

また、左官を依頼するときにも棟梁に聞くわけです。「こういった工事をするのに、どこかよい左官屋さんはいませんか?」と。そうすると、「何処何処町の○○左官屋さんがいいよ」など、すすめてくれたわけです。

つまり、施主は棟梁と一緒になって家をつくっていったのです。左官屋さんを紹介してもらったり、納材業者を紹介してもらったりして、そして施主は、直接あるいは、棟梁を通して業者さん職人さんにお金を払ったりしてきました。今は、そういったことはほぼ100%ありません。

この昔の家づくりのデメリットといえば、施主にとっては少々面倒が多いことです。自分で木を見に行ったり床柱を見に行ったり、職人さんと話をしたり。なにしろ自分が棟梁と一緒になってやる訳ですから。

 

CMシステムでの家づくりとは?


施工・納材業者の代表者の皆さん

ところで、純粋な考え方の「CMシステム」というのは、直接施主と皆様(施工業者)が契約して家づくりをすすめていく、という非常に透明性の高いやり方なのです。でも、透明性の高いことは非常にいいのですが、それ以外の施主の負担が少々大きすぎて、なかなか施主がそれをやりきれない、ということで、実際には、その役割を私(CMr=コンストラクションマネージャ)が代理となってやっています。

ただ、基本的な考え方は、施主と皆さん(施工業者)が契約している、と思ってください。事務上の手続きなどは、非常に煩雑になりますから、その辺は私が施主の代理人として、やっていくという形です。そのために請負契約という形を便宜上(税務申告上)とっていますが中身は業者の皆様と施主様との直接契約に近いものになります。ですから皆さんの持っている原価計算書と施主の持っている原価計算書は同一のものになりますし、原価(皆さんへの発注金額)にほんの少しの必要経費が乗る以外は上乗せ利益は全くありません。

つまり、CMシステムは、昔の家づくりのやりかたと非常に似通っているともいえます。なぜそういうことをやるのかというと、今の家づくりでは、造る方(施主)が参加できないからなのです。

メーカー住宅を見てみてください。営業の段階では打合せを一生懸命やります。ただ、つくり始めると、(これは業界の裏話になるかも知れませんが)家を養生シートで隠してしまいますね。もちろん安全の為にシートで囲う、といった理由もありますが、本当のところは、あれは隠しているのです、家づくりの勉強を施主に対してきちんとしないハウスメーカーにとって、小さな事をいろいろ指摘されるのは、はっきりいうと面倒でしょう。

しかし施主は自分の家ですから、どんな過程でできているのか見たいわけです。ところが殆どの住宅会社が施主に事前に(工事中に)鍵を渡すことはありません。そしてよほど言わない限り、施主だけで中に入ることもできません。施主からすれば、大手メーカーのネームバリューで信頼はしているのですが、本当の意味での信頼関係は、造る側と造ってもらう側でできていないのでは、と思います。

私は「家は売るものではない」と思います。今の住宅メーカー、フランチャイズ系住宅会社は、やはり家を売っていると思います。家というのはやはり、つくる人の思いを、職人の方を中心に、納材業者も「一緒になって作り上げていくもの」だと考えます。それには皆さんの顔が見える着工式は意義があるのではないでしょうか。

 

ではそこまでやる「家づくり」そのメリットとは?


上野さんと施主の貴島さん

この「昔ながらの家づくり」に似た「CMシステム」のメリットは、施主側から言うと、自分が参加することで、家に愛着がわきクレームが少なくなるということですね。

普通だと、例えば大工さんが作業をやっているときに、施主は家の構造なんて見ないですよね。断熱材を入れるときに、注意して見ないですよね。一般的に施主が見るのは、棚だとかクロスだとか表面に見えるところですよね。それもほとんど完成した頃に。

でも、CMシステムの家づくりでは施主の皆さんは、基礎の配筋のときから興味を持って見られます。というのは、私は、施主からこの家づくりを依頼されるまでに、最低15時間以上かけて、無料の勉強会をやっているからなんです。失敗をしないための勉強と、いい家をつくるための勉強を。

勉強会ではお客様に「私のところで家を建ててください」という営業は一切ありません。勉強会では、私が30年以上かけて知り得た「お客様が家づくりで失敗しない為のノウハウ」を15時間以上4日~5日間に分けてお話しします。

そして、リアルなプランを作って差し上げます。さらにその建物の原価計算書、つまりその建物がいくらでできるのか、も作ります。そしてそれらを全部ひっくるめた「総合資金計画書」も作って差し上げます。これは、殆ど漏れの無い、簡単に言うと引っ越した後の家具購入や雑貨の購入費用まですべて含まれた資金計画書になります。

そうすることで、施主はご自身がとことん考えた家づくりを安心してできますし、必要なこと、必要でないこと、また必要だけど今回は見送ろう・・等ご自分で結論を出していくことが分かります。ですからいったん工事が始まると、その最初から興味を持って家づくりを見て、さらに参加しようと思う訳です。

そして、建築中も家づくりに携わったという喜びが愛着に変わってきます。愛着がわいてくるとやはり、建物を大事にします。昨今言われている、「資産になる家づくり」、「長期優良住宅」、「耐久性のある住宅」・・・そのハード面だけを追うのではなく、(もちろんこれは追求するべきですが)施主が家を大事にするというソフト面から見て、50年も100年ももたせるという家づくりを目指すには、皆さんと施主が一緒になって造っていく家づくり、施主参加型の家づくり以外には無い、と思っています。参加すると愛着がわいてくるのは当然でしょう。

今述べましたように、着工式は「まずは、施主が積極的に家づくりに参加していただくために」ということで、執り行うわけです。また施工業者の皆さんには、施主を知っていただき施主が現場に来やすいように、そのための最初の出会いの場だと思っていただければと考えます

 

施主参加の工程会議:なぜ施主が工程会議に出席?

この後、工程会議を行います。工程会議は通常は業者間だけでやりとりするものですが、施主参加という意味から施主にも参加していただきます。

参加すると、業界の動きや、家づくりをする人たちの考え方とか、机上ではわからないこと、契約では現れないものを体感することができます。そういったものを施主にも見ていただきたい、感じて頂きたい、触れていただき愛着のわく家づくりの一端に、ということで、工程会議にも参加していただく訳です。

メリットとして、施主の方には殆どの方に喜んでいただけます。これだけの人に各地から集まっていただいて、この人達が自分の家を造っていくのだ、という感動もおきます。

それから皆さんは、職人として、また納材業者として、それ以外の家づくりに不可欠な保険や登記など施主の財産を守るため、今までやってきたことを、責任をもってやらなければならないのだ、と施主を知ることでより責任感がアップするでしょうし、強いては自分の仕事に誇りを持つことにつながるでしょう。結局は双方にとって大きなメリットがあるわけです。

 

ノンクレームを目指す事も着工式と工程会議の大きな意義!

施主と皆さん方がコミュニケーションを持つことによって、ノンクレームの家づくりが目指せます。

といいますのは、私の家づくりの考え方には、うそ、隠しごとはまったくありません。お客様に対しても、業者の皆さんに対してもそうです。ですから先ほども言いましたように、原価計算書は、皆さんが持っていらっしゃるのも、施主が持っているのも、私達が持っているのもまったく同じです。もう完全なガラス張りです。

工事中もいろんなことが起きます。図面があればその通りできる、ということはありません。図面が100枚あってもその通りできないかもしれません。図面よりも何よりも大事なのは、家づくりは人がやることですので、やっぱり必ず何かが起きます。起きたときにそれにスムーズに対応できる体制をつくっておくこと、そのために必要なものがコミュニケーション、コミュニケーション以外にクレームや争いを避ける方法はない、といってもいいくらいに必要なことだと考えています。

建築業界ほど消費者の方からのクレームが多い業界はありません。もし施主が現場で何か分からない事や問題が起これば、私達へ連絡というのが普通ですが、私は直接皆さん方工事をしている方と施主とで話し合われてもいいと思います。

そして「是は是、非は非。いいものはいい、悪いものは悪い」で判断すれば良いでしょう。勘違いや間違い、失敗、それは現実、どこでもあるのです。大手の立派なメーカー住宅だって一杯あるのです。だから隠している、ということもあるのではと思います。

私は隠さない、ということを一つのポリシーとして持っています。ですから、通常業者の裏話も出たりする工程会議も施主に参加していただきます。それが大きな問題を起こさないやり方である、と私は考えています。つまり人と人との心のつながり(コミュニケーション)がすべてを解決するのです。

以上、着工式と工程会議の意義をご説明させていただきました。

今日お集まりの皆さんも是非この意義を理解していただきまして、施主と工事現場で親しく話をしていただき、いい関係での家づくりができ、「本当によかった」と施主にいっていただき、また皆さんも「本当に気持ち良く仕事ができた、よかった」といえる家づくりを切に希望いたします。

本日はありがとうございました。

CMシステム鹿児島 家づくりアドバイザー 上野 勝

 

着工式の重要な意義の一つは、施主と施工業者がお互いを知ることにあります。

お互いを知ることで信頼感が生まれ、通常起こりうる現場での問題が、スムーズに解決できるようになります。また、お互いに喜びを感じることができます。

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