家づくりアドバイザープロフィール なぜ私はCMシステムを選んだのか?
伊藤 一成 (いとう かずなり)
昭和35年生まれ 神奈川県出身 1級建築士事務所ファインテクト主宰
- 一級建築士
- CASSBEE戸建評価員
- 日本エネルギーパス協会会員:エネルギーエージェント
- パシッブハウスジャパン認定:省エネ建築診断士
- 木造枠組・軸組壁工法耐火建築物設計者
- 横浜市省エネ住宅相談員
- 既存住宅現況検査技術者
- 耐震診断・耐震改修技術者
趣味:ゴルフ・ジムトレーニング・スポーツ観戦・音楽鑑賞・ドライブ
◆1級建築士事務所ファインテクト 主宰
30数年建築設計に携わり、数多くの住宅を設計してまいりました。特にデザインを問われる輸入住宅の設計では25年以上携わってきました。
また、昨今流行りの省エネ器機の性能に頼っただけのスマートハウスに疑念を抱き、建物本来の断熱性能、気密性能、調湿性能でいかに快適で健康な住まいを提供出来るかを勉強、研究しております。見えない性能を理解して頂く為、計画建物で家計にも影響する光熱費を表示し住宅性能の可視化にも積極的に取り組んでおります。
安心して良い家造りが出来る様、建築主の立場となり建築の専門家として分かりやすくアドバイス、提案致します。
CMシステム神奈川
設計士を目指した原点は・・建売折り込みチラシだった。
CMシステム全国家づくりネットワーク主宰の上野さんに、自身のプロフィールは? と問われ、改めて設計者、建築家としてこの道に進んだ経緯を思い起こしました。
あれは私が小学生の頃、両親と弟との4人家族で六畳二間の長屋での社宅住まいでした。高度成長期である当時の新聞には、建売住宅の間取りが載った折り込みチラシが連日沢山入っておりました。
長屋住宅は平屋でしたので階段のある2階建てに憧れ、バルコニーに出られる2階のこの部屋は自分の夢で、ベッドはこの場所に置き、机はここと、勝手に思いを馳せておりました。勿論弟の部屋も教えてあげましたが興味無さそうにしておりました。今思えばあの折り込みチラシが建築に興味を持った原点です。
その後中学生となり、何年生だったかは忘れましたが、技術家庭科で定規、コンパス、三角定規で作図する授業がありました。絵心の無い私が丁寧に書いたおかげでしょうか、人一倍綺麗に書く事ができ、誇らしく感じた事を覚えております。作図、製図に興味を持ち、将来住宅設計の仕事に就きたいと思ったのはこの頃でした。
いよいよ設計の仕事へ!
少数ですがこれらのエピソードを知る友人、知人からは子供の頃の夢を叶えた仕事につけて幸せだね、と言われますが果たして幸せなのかは甚だ疑問です。
小規模の設計事務所で丁稚奉公の体で学び、電鉄系不動産会社で設計と工事管理に従事し、その後、大手輸入ハウスメーカーで本格的な輸入住宅と出会いました。当時バブル後期で坪単価90万~100万超の物件ばかりでした。毎日作図や積算作業に追われ、終業時間は深夜や徹夜になる事もざらでした。設計者はハードワークを強いられる肉体労働でした。それでもお客様に喜んでもらえる家を設計しているとの自負もあり頑張っておりました。
もともと輸入住宅は建物本体が高気密、高断熱の高性能住宅でしたので、住んで頂ければ皆さん性能には満足して頂けました。ただ、建築途中で設計の意図と現場担当者、現場の大工との意思疎通が図れない状況が度々ありました。
一つの物件に営業担当、設計担当、工事担当、インテリアコーディネーターと4人もの担当者が付き、契約着工時とそれぞれ引き継ぎを行いますが、担当物件数も10数件こなさなければならない状況下で、立場の違いで自分に都合よく変えてしまう担当者もおりました。
その時ハウスメーカーの設計担当者では、自分の思う設計が現場に反映されない事を実感しました。そんな経験のあと、建築の素人であるお客様の立場になり設計・監理を行なう事で、喜んで頂ける家を提供したく、1級建築士事務所として独立しました。
オンリーワンの快適で健康的な家を建てるには、少数精鋭で良い家を創りたい気持ちに溢れた技術者、職人、メーカーのチームで建てる事です。目先の事に囚われず、同じ目標に向かう事の出来るチームワークが重要です。長きに渡り住宅の設計に関わり感じてきた結論です。
設計者としての疑問と悩み
設計事務所として独立前から常に感じた事は、設計者の立場の軽視にあります。ビルやマンションに於いては設計事務所でなければ設計出来ないと理解されておりますが、木造戸建住宅についてはどうでしょうか?
ハウスメーカーでは営業マンがプランを作ったり、工務店では今までの経験だけで、社長や親方がプランを考えたりと、住宅の最重要点課題を素人が作るって如何なものでしょう?
プランニングで間取りや同線が決まり、構造や設備配管経路を考慮し、採光・通風等快適な家が出来るかどうかの瀬戸際です。土地の大きさや形状、道路付、高低差、方位や日当り等お客様の建物条件はそれぞれ違うのです。お客様にとって最良の住まいを提案する為、時間を掛けオンリーワンの家を考えなければならないのです。
営業マンはプランを速く決め、見積提示し契約する事が仕事なのです。そんなペースに乗ってしまっては考える暇もありません。契約後、設計図書を見せられ、建築確認申請とバタバタと進んでしまいます。ここでお尋ねします。木造住宅の建築確認申請では、延床面積100m2以上の場合、木造建築士、1・2級建築士いずれかが設計者、監理者として申請しなければならない事をご存じでしょうか? 当然、申請した建物に対しての設計監理責任が生じます。
民間の審査機関では責任逃れの為、100m2以下の物件でも監理者を立てなければならないところも数多くあります。責任が重くのしかかってくる設計者ですが、ハウスメーカーの見積書に計上されている設計料はどの位でしょう? ほとんどが50万円以下ではないですか? 50~100万円ならましな方でしょう。直接の建設費ではない設計費を抑え、見積を安く見せる様にしております。確かにハウスメーカーの社内設計だけで業務をこなしているならばそれも可能でしょう。私もハウスメーカー所属時代に経験ありますが、業務を遂行する為、設計コンサルタントや外注設計に依頼する場合の実行予算は隠されております。
勿論利益を削って実行予算を捻出する訳ではありません。設計実行予算にも会社の利益を計上しております。ハウスメーカーと競合する工務店の場合はどうでしょう? 設計事務所を兼業していない工務店が多いと思います。設計料を安くする為、協力設計事務所へ確認だけ取ってと依頼するケースが多いでしょう。設計者、監理者とは名ばかりの申請代理業です。責任を問われるリスクがあるにも関わらずまともな設計、監理費などは貰えません。
では、まともな設計料とは? と思われますよね。設計事務所の業務報酬基準は、国土交通省の告示15号により定められております。たとえば平坦地盤良好、木造2階建、戸建100m2、構造計算なしの場合、設計費+監理費で292万円となります。えっ!高いと思いますよね?
お客様の資産である住宅の設計者に対して、国はそれだけの責を負ってもらいますよ、と言っているのです。しかし30坪で300万円近い設計料を出せる方はどれだけいるのでしょうか? そこで各設計事務所では目安としての設計、監理費を建設費の6~12%としているところが多いのではないでしょうか。2000万円の建設費だと設計費120万円からとなります。
単純にハウスメーカーや工務店と比較すると設計費用の分、割高になりますので、作成した設計図書で工務店数社から合い見積りを取り、金額の安いところと価格の調整に入り、割高感を無くします。または知り合いの工務店を特命し、価格の調整をする。これらのやり方が一般的な設計事務所での家の建て方です。
設計者として今後やらなければ!と決断したことそれは住宅性能の可視化だった
今、手元の建築雑誌に「家づくりを依頼したい先」とのアンケート結果がでております。
- 大手ハウスメーカー : 45%
- 地元工務店 : 24%
- 設計事務所 : 5%
とても残念な結果です。 が・・当たり前です。大手ハウスメーカーは、宣伝広告・住宅展示場と経費が桁違いです。私も過去には微力ながらホームページ、雑誌、チラシ等色々とやってみた時期もありましたが、ありきたりに設計事務所と謳っても反響はありませんでした。そこでこれからは何をすればいいのか、藁にも縋る思いで各種セミナー・講演・シンポジウムにと顔を出しました。
そこで徐々にですが感ずる物がありました。建築物の温熱環境についてです。今迄は輸入住宅というカテゴリーに囚われ見た目のデザインだけをアピールし、高気密、高断熱で暖かい家と曖昧な表現を繰り返してきたのです。温熱環境を勉強し始めると、快適な家をいかにして造るか、が見えてきます。そして結露しない家がいかに大切なことなのかも理解します。
暑くもなく、寒くもなく一年中快適に過ごす事ができ、空気環境も含め健康でいられる家、そして第2の住宅ローンとも言える光熱費を抑えられる家は、お客様にとって大切ではないでしょうか?
今ではお客様に対して、計画建物の想定室温や消費エネルギー量を年間電気代金等として換算する事で分かりやすく表示するエネルギーパスを提示し、住性能の可視化に努めております。住宅設備・建築材料も日進月歩、新しく良い物を取り入れながら住宅も進化し続けます。人も常にアンテナを張り情報を仕入れ勉強し続けなければなりませんが、そこには新たな人との出会いがあり刺激もあり楽しみがあります。
CMシステムとの出会いが設計者としての想いを現実のものにする事に!
快適な家を計画しても建設費が高くなりすぎては見向きもされません。設計事務所としてのもどかしさはそこにあります。
如何に建設コストを抑える事が出来るのかを悩んでいると、知人から鹿児島で無料勉強会と原価公開方式で成功されている方がいるとCMシステムの上野さんを紹介され話を聞く機会を得ました。お客様に建築業界のタブーとされている部分や家造りでは何が重要かを知ってもらう事で失敗しない家造りの無料勉強会を開き理解し納得して頂いている様子。その建物性能は温熱環境を重要視されたゼロエネ住宅を当たり前のように提案し、原価公開システムにより建設コストを抑えられるとの事。
まさに私がやりたい家造りがそこにはありました。私も日本の家造りは間違えている部分がたくさんあると感じております。実際ハウスメーカーで設計や積算を行ってきたので実態や内容は十分把握しております。建設業界の旧態依然とした体質は今も昔も変っていません。お客様に喜んで頂き、私共建築に関わるチームにとってもやりがいのある仕事、双方にとって幸せな家造りはCMシステムにこそあると信じております。
神奈川にお住まいの方、お気軽に声をかけて下さい。お待ちしております。
CMシステム神奈川 家づくりアドバイザー
伊藤 一成
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