和をモダンにアレンジ、こだわりの住まい
鹿児島県の南部畜産の街「鹿屋」が、今回の訪問先です。
お邪魔するH邸は、ご夫妻の強い希望で“和”をモダンにアレンジした、こだわりのお住まいです。完成してから約1年ぶり、2度目の訪問となります。さて、この一年の暮らしはどうだったのでしょうか?お嬢さん達の成長も楽しみです。
それでは、早速お訪ねしましょう!
お訪ねした日はあいにくの曇り空、お嬢さんが生まれたときに植えたという庭の梅も蕾を付けはじめていました。
私を迎えてくれたのは、二人の小さなお嬢さんたち、ずいぶん大きくなりました。さすがに一年も経つと、たたずまいも落ち着いてきて、ご夫妻が望まれる家になってきたようです。
「住み心地はいかがですか?」とお尋ねしたところ、「おかげさまで快適に過ごしていますよ!」と、ご夫妻共に答えていただきました。
そう言えば一年前は、少し寒い感じのする日なのに裸足でいらして、寒くないのかと疑問を持っていたので、ふと、足元を見るとやはり裸足。今回は思い切って聞いてみました。
すると、「やはり無垢材は快適ですね。柔らかいパインの木に自然塗料を塗った床材は、冬でも足触りが良いので、ひんやり感がないんですよ。4歳と2歳になる娘達はいつも裸足ですね。帰宅したらすぐに『靴下を脱ぐ』が日課です。裸足の方が気持ちが良いみたいで、無意識に脱いでいるようです。おもしろいもので、隣の実家では靴下を履いたままなんですけどね!」と、笑いながらお話してくれました。
床暖房も検討していたようでしたが、結果として付けなくて正解だったようです。・・・私も靴下脱ぎたくなってきました。実は、この床はご夫妻自ら塗装をしたものなので、人一倍愛着があるのでしょう。その事を、お嬢さんたちも理解しているのかもしれませんね。
太陽光発電での節約は?電気料金は?
次に、昨年以上に寒かった今年の電気代を尋ねてみました。かなり高かったのではと思いましたが、そうでも無いという返事が返って来たのでさらに詳しく尋ねてみると、
「冬場はエアコンを省エネモードに設定して24時間付けたままにして見たのですが、結果は良かったようです。夏も長期の外出以外は24時間付けたままでいたのですが、頻繁にON・OFFを繰り返すより消費電力は抑えられるようですね。
昨年は貸家に住んでいて年間光熱費が18万円でしたが、今年は太陽光発電の余剰分を売った金額と使った金額の差が4万円弱のプラスでしたので、年間の節約効果は、なんと約22万円になりました。
単純に計算して、これが10年続くとすれば220万円ものプラスになります。これは大きい節約ですよね。」
との説明でした。ちなみに、太陽光発電の設備費は130万円程度だったそうです。
エネルギーロスの少ない構造の家にすれば、これほど節約できるものなのだと、日ごろ私が説明している事が実証できているので、安心しました。
リビングから神社のご神木が眺められる そしてモダンな和室には屋久杉
さて、エネルギーの話は、このぐらいにしてインテリアの話をしましょう。
このお宅では、リビングから隣にある神社の神木が眺められるようにプランされています。特に庭は、自然素材を上手に使っていて、四季の変化や経年変化が楽しめるように計画されています。
もう一つの特徴は、屋久杉をふんだんに使ったインテリア。この屋久杉は、H氏のお父様が、屋久島の営林所にお勤めの時に、こつこつと集めて大切に保管しておいた物です。H氏は、家を作る時には、お父様の屋久杉のコレクションを生かしたインテリアにしたいと考えていたそうです。
屋久杉はとても高価なもの、とても贅沢な感じがしますが、よく見れば、床柱は継ぎ足してありますし、テーブルも均一ではありません。
実は、このコレクションはそのまますんなり当てはまると言う訳ではなかったようで、この家の設計から建築までをアドバイスした、上野氏がH氏とお父さんの希望が叶えられるようにと、思考錯誤して作り上げたものなのです。
しかし、その苦労の甲斐あって、とても素敵なインテリアになっています。障子の桟もH氏ご自身でデザインされたりして、随所にこだわりが見られます。そのセンスの良さには脱帽です。自分や家族の思いを込めた家を作る事ができて、ご夫妻とも心底満足している様子が終始伺えた訪問でした。
庭に植えられた娘さん達の記念樹、梅とハナミズキ。またの機会に訪れて、その成長を見るのが楽しみです。