従来方式とCMシステムの発注者・受注者の関係をまとめておきましょう。
現在、ほとんどの家づくりは、この一式請負という方法でつくられています。
この場合、発注者は、「建築業者の能力の範囲内の工事しかできない」「直接工事を担当する専門工事業者や職人とのふれあいが、ほとんど無い」というハンディーがあります。
また、発注者と、ハウスメーカーや工務店は利害関係にあり、何かあったとしても、プロであるハウスメーカーや工務店の言うとおりになる事が多いといえます。
さらにハウスメーカーに依頼すると、下請けの建築業者に丸投げのため、建築費のコストアップにもつながります。
CM方式における、発注・受注各者の関係は左のようになります。これは基本的なCMシステムの方式で、「ピュアCM方式」とも呼ばれます。
従来の一式請負方式では、発注者と専門工事業者が、間接的な契約関係であるのに対して、CM方式では、発注者と専門工事業者が直接契約をおこないます。
このような直接の契約関係によって、発注者(施主)にとってはコストの透明性が増し、ひいては経済的な工事ができる訳です。
また、つくる人(職人さん達)とのコミュニケーションもとりやすく、参加型の家づくりにも向いているといえます。
CMrが最高限度額を保証したり、工期を保証したり、“工事完成保証”や“工事業者への支払い保証”を差し入れたりする場合があります。
このように、完成や工事金額(支払い)等にCMrがリスクをとる方法を、「CMアットリスク」方式と呼んでいます。
現在米国では、この方式が採用される機会が多いようです。
このような場合でも、専門工事業者の支払いはガラス張り(原価公開)にされることに変わりはないのですが、CMrが契約先の選定を行なうなど、総合工事業者に近いような形態となります。